新宿中村屋と館山中村屋
館山中村屋は新宿中村屋の暖簾分けだろうと思っていたが違うようだ。
ロシアクッキーで有名な館山中村屋。
千葉そごうとかでロシアクッキーを買い求めると結構美味しい。
この中村屋はどうやら新宿中村屋の前身の本郷中村屋が館山に移転してきたものだそうだ。
当時は夏だけの出店だったが本郷中村屋を任された長束実氏の子息が本格的に館山へ移り通年営業を始めたらしい。
因みに本郷中村屋を任されたのは相馬氏が新宿中村屋を出店する事になったからだ。
では本郷中村屋とは何か。
これは先にも書いたが新宿中村屋の前身。
もともと中村屋というパン屋があって、これを相馬愛蔵氏が買い取った物だそうだ。
当時の金額にして700円。居抜きで職人ごとだそうだ。
売主は相場に失敗したらしい。
相馬氏が買い取った中村屋で働き始めたので後に館山に店を出す長束氏。
中村屋がクリームパンを売り出した時期と長束氏が本郷中村屋で働いていた時期は重なるので、館山中村屋のクリームパンは日本初のクリームパンに近い物なのかもしれない。明らかにそこいらのクリームパンとは違うクリームなのだ。
相馬氏は職人ごと本郷中村屋を買ったので、もしかするとパンのアイデアは出したが作ったのは一職人かもしれない。経営者イコール職人とは限らないからだ。
これは違うと思う。だって職人ごと買い取った店が本郷中村屋で、そこから移転したのが新宿中村屋。この創業前からいる職人から学んだであろう人が独立した店を新宿中村屋からの暖簾わけと言っていいのか。敢えて言うなら本郷中村屋が移転したのが館山中村屋だと思う。
当人たちはどう思っているのか、実際はどうかわからないし、本当に暖簾分けかもしれないけど、繋がりがあるからと言って簡単に師弟、暖簾分け扱いされるのはあまり愉快ではないだろう。
平塚中村屋はどうなんだろう。