カニ族の季節です。

彼女が、盛岡駅で自転車を組み立てている人を見かけたそうな。
もうそんな時期かと思った。きっと彼らはこっちまで18きっぷとかで来て、景色の良い所を自転車で走るのだろう。
私もそこまで本格的ではないが、折り畳み自転車と、鈍行を使って、北海道を旅したものです。そんな旅の一番の思いでは、函館で泊まった宿で出会った青年と、十字街のラッピで出会った女の人、新夕張から札幌まで一緒の電車に乗った北大生の女の子と話が出来たことです。
函館で出会った青年は、なんと、京都から函館まで自転車で来たのだそうな。兄の居る秋田で何泊かしたが、その他は野宿で、函館でも野宿しようとしたが、偶然、その宿を見つけたのだそうな。あの日は雨だったから、1000円で泊まれる宿は、例え自分のスペースが肩幅分しかなくっても良かったに違いない。その夜は、自主制作の映画の話とか、旅の途中の出来事とかこれから行く所の情報交換で盛り上がった。
翌日はいったんサヨナラしたが、青年が外人墓地を巡ってきた所で偶然再会。しばし一緒に函館観光をしたのです。私は昼食にラッキーピエロハンバーガーを食べたかったのだけど、青年は海鮮ものが食べたいとの事で、一旦解散。また待ち合わせ場所に戻ったが、青年と会うことは無かったのだ。まぁ、私が待ち合わせ時間に間に合わなかったのが悪いんだけど。
青年は、話の通りなら今はきっと、某自動車メーカーで働いているはず。自転車部を作ると言っていたから、その時まで気長に待つとしよう。
そして私は、十字街のラッキーピエロへ。
ここは本店と違い空いているので、結構使うのだ。そこで、話題の鯨バーガーを食べることになったのだが、向かいの席の女の人に声を掛けられた。今回の旅で、自転車以外の事で話しかけられたのは初めてだ。私は、席をその女の人の向かいに移動し、しばし歓談したのだ。女の人は関西の漁業器具メーカーで働く研究員の人で、実家の室蘭に帰省する途中なのだそうな。編み物をして暇をつぶすところが彼女に似ていて親近感を持ったんだなぁ。この人とはその後、スナッフルズ本店でも会ったのだ。今も元気かなぁ。
陸別でもバイカーに話し掛けられた。
いろんな人に話しかけられたが、名前を聞くことは無かった。その後の交流も無い。縁があればまた会うだろうと思っているけど。一期一会と言う言葉が、とても深く感じることが出来た旅だった。
きっと今年の夏も、私のような経験をする旅人が沢山いるのだろう。