光のページェント号に乗ってみた

仙台で年末に開催される光のページェントにあわせて毎年、盛岡から仙台までの臨時快速列車が運行される。それが光のページェント号だ。

今回も使用される車両はキハ58・28系改造のジョイフルトレイン。いまでも名前は「Kenji」でいいのだろうか。
一昨年もこの車両だったが、平泉のキャンペーンにあわせて塗装が白地にみどりのラインから、緑地に金のラインに替わっていた。あといろんなラッピングがされていた。
この車両が登場したのは三陸海の博覧会の時だから、かれこれ15年は使っているのではなかろうか。しかも改造なので車齢を考えるともう長くないような気がする。これに先駆けて登場した「エーデルワイス」とか秋田の「おばこ」なんかはとっくに廃車になっている。

この手の列車には必ずといっていいほどカラオケ設備がある。
目的があって作られたジョイフルトレイン(例えばトマムに行くやつとか、ゆーとぴあ和倉とか)は無かったりするのだが、お座敷列車系の特に目的地を想定していない団体輸送用の列車にはある。
こういった設備はもういい加減いらないと思う。特に今回使用される列車の場合はカラオケールームの座席配置が微妙で、二人掛け座席の前が一人掛けの為、テーブルが一つしかない。一体誰がこんな微妙な配置を思いついたのだろう。ここは座席を取っ払って桟敷席にしたらいいかもしれない。

一昨年は指定席が取れなかったが、がら空きだった。聞くところによると、旅行代理店が指定席を押さえていてだそうな。そのせいなのか、それともJR盛岡駅の宣伝不足なのか盛岡駅出発時にはがらがらでスタートした。
それでも高速バスなら座席の半分以上は埋まっている感じだ。
因みに、この列車が出発した15分後くらいに各駅停車の一ノ関行きが出る。その一ノ関行きを待っているお客さんの背後には仙台行きの当列車が停まっているのだが、一ノ関行きの列に並んでいる人で、当列車を選択したのは片手で余るほどだった。ちゃんと案内放送をすれば臨時快速を選択する人も増えそうだが、そもそも快速が走っていない線区なので不安もあるのだろう。特に岩手の人は口下手だから人に聞いたりしないもんなぁ。
車内で駅弁を食べながら途中駅を観察していると、仙北町は毎年のように商業高校の生徒の戸惑う顔。
日詰では若いカップルが乗ってきた。一番乗車が多かったのは多分水沢駅。新幹線開通前までは特急が停まった駅で、県内各駅と比較した売り上げ順位は盛岡に次いで2位だったそうだが、今は各駅停車が一時間に一本来るのみの不遇の駅だ。盛岡〜水沢間の快速列車を昼間にも設定するとか現在北上までとなっている各駅停車を水沢まで延長してもいい気がする。
水沢駅の利用の多さにそんな事を考えた。
一ノ関では10分以下の運転停車。以前は30分くらい停車していたのだが、さすがにそれはまずいと思ったのだろう。一ノ関の次は小牛田に停まる。ここで仙台行きの各駅停車を追い抜く。一ノ関〜小牛田間はけっこう低速だったが、前を走る各駅停車に追いつかないようにしてたのだろう。追い越すなら石越あたりでもいいと思うが、停車駅を減らし且つ各線との接続を図るには小牛田が最良なのかもしれない。
宮城県内での停車駅は終点の仙台以外には小牛田と松島のみだ。松島駅はカーブ上にある駅なので列車が去る様子が実にカッコいい。私はここで下車した。

それにしてもかなり揺れる車輌だ。電車はあんなに揺れないと思う。急行用に造られた筈だが、車齢がそうさせるのだろうか。お弁当を食べるにも一苦労であった。
この列車、調べたところ、1990年の時刻表には既に登場している。もう18年も運行している名物臨時列車なのだ。これが発展して盛岡〜仙台間に定期の快速列車が設定される事は無さそうだが、ホリデー快速として週末だけでも走ってくれないだろうか。高速バスと新幹線の中間の需要を獲得できそうな感じだと思う。特に高速バスが無かったり、少ない盛岡以外の各エリアの人にはありがたいと思う。ただ、Kenjiの3両編成は需要過多だと思う。2両でいい。なので、種車が同じ(だったような)「こがね」と組み替えてKenji・こがねで2両編成2本のものを2両編成3本にしたらどうだろう。
きらきらうえつ」のような電車快速が一番いいと思うが、今ある資源を使うならKenji・こがねの組み替えがベストだと思う。
ただ、kenjiはかなり揺れるし、別に展望車である必要もあんまり無いと思うので、快速はまゆりに使われているキハ110を使ってもいいかもしれない。
まぁ形はどうあれ仙台に乗り換え無しで行ける快速列車はかなり価値のあるものでした。
帰りも使いました。