近江商人は死んだ

仕事帰りに、先日見つけた半分ギャラリー半分店舗と言った感じの所へ立ち寄った。
中へ入ると、やっているんだかいないんだか分らない店舗部分から店主らしき人が出てきたので、
「観ても良いですか」
と断り、展示物を見学。
すると、店主と思しき人間が、いろいろと話し始める。
作品の解説と言うより、ギャラリーをやるに至った経緯など。
まぁ、それはそうなんですか。といった感じで話が進むと、
いつのまにか、盛岡の人が芸術を知らないとか言う話に。
詳しく書くと、どこでやっているどんな個展か分ってしまいそうなので省略するけど、
それは分らないからじゃなくて、罰があたるからとか、そんな理由じゃないの?
といった感じの話だった。
その話はまだ続くのだが、あんまり共感できなかった。
私は、どんな優れた才能の持ち主でも、どうしようもない物を作る時もあるし、
趣向に合わないものを
「凄いでしょう」
と言われても、価値の押し付けにしか感じないと思っているので、その館主(店主)の言う事は
ちょっと人を馬鹿にしているんじゃないかなぁと思った。
あと、盛岡だからどうと言う問題では無いとも思った。
そして話はまだ、ギャラリーの話なのだが、一応そういった催しをやった事のある身としては、経験で分っているし、聞いた事もあるので、そんなに
「まるで素人に説教するように話さなくても良いですよ。」
というような内容。
昔、横浜中華街で蒸し器を買ったときに、店員さんが最初に使うときの注意事項を伝える時に
「ご存知かと思いますが...」
と前置きをして話し始めた事がある、お客さんがプロでも素人でも、嫌な思いをしない話し方だと思った。
それと比べて、この館主は何て失礼なんだろうと感じた。
私は、同じ趣味とか、仕事をしていたりする人に、話をする時は最後に
「...って事なんですど、もしかして知ってました?」
なんて、相手に苦痛を味わわせてないか心配で聞いてしまう事がある。
何より、ブッダに教えを説く様な恥はかきたくないから。
あと、自慢話って大抵苦痛だし。

あぁ、もしかしたら近江商人は全然関係ないかもしれない。
近江商人には
「売り手善し 買い手善し 世間善し」
という家訓があるそうだが、
買い手として気持ち良かった近江商人系の個人商店ってあるかなぁと
思った今日この頃。