函館はおみやげ物屋さんが多い(北海道の旅)

久しぶりに連休の函館に来た。
連休以外だとたまに来たりもしているが観光シーズンど真ん中に来たのは何年振りだろう。
フェリーを降り、函館新聞社近くのバス停にナイスなタイミングで来たバスに乗車。目指すは函館駅
乗っている人は我等も含めて4人。とても黒字を出せているとは思えないがバスはノンステ。
きっと観光事業の収入がいいのだろう。
このバスでも最後部座席の後ろのスペースにバケツとかモップが置かれている。
岩手県交通でも県北バスでも見るが、全国どこのバス会社でもそうなのだろうか?
掃除用具を客の目に付くところに置くのは感心しない。しかも漂白剤を使っていないからなのか、とても臭い。
例えば終点の折り返し場所に着く度に車内を掃除をするなら100歩譲ってヨシとするが、そんな運転手は見た事が無い。
掃除なら営業所に戻ってすればいいし、車内に掃除用具を置く必要は無いと思う。
そんな事を函館バスの車内で思い出した。
この日はホテルニューハコダテに泊った。
元々は安田銀行だったそうで、帯広とか神戸にある元・安田銀行の建物と似ている。
このホテルは入り口がバーと共用になっていて、何も事前知識がないとホテル単体の入り口を探してウロウロする事になる。
バーが結構賑やかなので、
「これは閉店までうるさくて眠れないな」
と思ったが、客室へ至るにはバーと客室フロアを隔てる空間があって予想外に静か。ただ、そのせいか空気が循環していないようでカビ臭さを感じる。
10時から15時の間は扉を全て開け放ち換気をした方がいいのではないか。
壁の化粧も所々で剥がれており補修が必要だと思った。
ホテルの人の対応は良く、貴重な建物に泊れるのは嬉しいのだが、全体的にくたびれた印象があり、それがちょっと残念である。
盛岡にはホテルに転用出来そうな銀行建築は無い(あっても現役)のでそれが羨ましかった(銀行建築がゴロゴロしているという意味で)。まぁ、盛岡の場合町家が腐るほどあるので修復の上ホテルとして利用出来るのではないかと考える。
チェックインの後、金森倉庫の辺りを散歩。
数年でかなりの変化があり、回転寿司やら海鮮食堂やらが林立していた。お腹も減っていたので「まるかつ水産」とか言う回転寿司屋に入ったのだが、注文してから出てくるまでが異様に遅い。
清次郎だったら、この半分の時間待たせたくらいで長岡さんが謝りに来るぜ。
後で調べたらオープンして2週間位しか経っておらずまだ不慣れな面もあったのかもしれない。
それにして待たせ過ぎである。なので散々待ってやっと出てきた3皿だけ食べて出てきた。
この辺りの店の殆どは、まるかつ水産とそのグループ会社で運営しているそうだ。と言う事は、西地区の観光はまるかつ水産とそのグループ次第で変わると言う事なのだろうか。
何とも凄い事だ。
倉庫建築を見学しつつおみやげ物を買わせるなんて、利用と活用の面からなかなか良いアイデアだと思いながらも、遥々土産を買いに函館に来たかのような寂しい気分になるのでした。
観光地でどうにも気に入らないのが、まるでお土産を買うために来たかの様に多いみやげ物店だ。
大きな観光地ほど顕著だと思うが、歴史的な建築や風景を保存する為にはおみやげ物屋とか博物館として活用する以外に方法は無いのだろうか。
地元の人が普段の生活で利用するものとして活用する方法があればいいのにと思う。
翌日は周辺の街並みを見て廻った。
解体か保存かで揺れていた弥生小学校の実物を初めてまともに観た。

10年位前に街並み関係の本で知ったのだが、その当時は特にいいデザインだとも何とも思わなかった。モダン建築には赤レンガ等の建築物とは違った面があることは分かっているし、それ系で好きな建物もあるがこの校舎はどうにも興味が湧かない。むしろ
「この校舎、冬は寒いだろうなぁ」
なんて在校生を心配してしまう。
で、なんでこの校舎に興味を抱けないのか考えたのだが、私個人の感想として
「愛らしくもなんともない格好悪さ」
を建物から感じるからだと思った。
具体的に言うと上部壁面に張り付いている屋根材だ。
あれがよくない。完成当時はなかったのではないか?
後に雨漏りとか何かの理由で付けられたのかもしれないがあまりにも安易と言うか格好悪い。
北海道から帰ってきて、知人に弥生小学校の現在の写真を見せたが、
「どうとも思わない」
との事だった。なので完成当初の写真を見せたら
「これはいいかもしれませんね」
と、まぁ好感触の答えが返ってきた。
モダン建築ってのはなかなか理解されないものだが、弥生小学校校舎に限っては改装した時点で命運が決まっていたのではないかと思う。
そんなこんなで時間が無くなり、特急で函館をあとにした。
この坂下れば谷地頭。