市議の質問を一問一答形式に直してみる

便利な事に盛岡市議会の議事録はネットで閲覧する事ができる。
ただ、諮問自体、まとめて行われる為、上から下え読み進むにはありがたくない構造になってる。
なので、鈴木議員の質問と、それに対しての各部長の回答を一問一答形式に直してみた。
もしかすると質問に対する回答が違うかもしれないが、そこは仕方の無い事だ。
で、なんでこの質問を選んだかと言うと、交通と都市計画についての質問をしているからで、別にこの人自体を応援しているとかそういう理由ではない。
まぁ、
「質問は調べてからやれ」
位の感想は持ちますし、賛同できるところも出来ないところもあるわけです。
あと、この人は多分鉄道マニアなので、自分の経験に拠る質問が多いかな。
話の最初に人物名が無いものは鈴木議員のものです。

改革の鈴木一夫です。質問に先立ちまして、まず先日6月7日、盛岡市民登山が兜明神岳で行われ、私も参加してまいりました。今回の市民登山は、移動手段として、また山田線活性化の観点から鉄道を初めて移動手段として利用されました。当日は、岩手飯岡駅から上米内駅まで各駅に停車する臨時列車が特別に運行され、50名を超える市民が鉄道の旅と登山を楽しむことができました。まずもってこの企画に携わった教育委員会JR東日本を初めとする関係者の皆様の御努力に感謝申し上げるものであります。
それでは、通告に従い質問を行います。
(中略)

  • 次に、交通施策についてお伺いをいたします。盛岡市は、バスを中心とした交通施策において、オムニバスや循環バスを走行させることで一定の成果をおさめております。他方、盛岡市交通局がないがゆえ、各事業者間の調整やお願いに限定されることで、他都市と比較した場合、交通施策における得手不得手があるものと認識をしているところです。
  • まず、バスの利便性向上の点で提案を含めお伺いをいたします。モータリゼーションの発達していない発展途上国では、バスは手を挙げればとまり、乗りおりができる仕組みもあります。安全面からの検証は必要でしょうが、盛岡でもかたくなにバス停での乗降だけではなく、挙手によりバスへの乗降ができるようにするなど、規制緩和を図ったらどうでしょうか。玉山線ではフリー乗降区間がありますが、道路幅員のある松園ゾーンバスや交通量や時間帯によって展開したらどうでしょうか、お伺いをいたします。
    • 建設部長(阿部勉)まず、バスの活用についてでありますが、バスのフリー乗降を松園地区や交通量、時間帯によって展開してはいかがかとのことでありますが、フリー乗降区間につきましてはバス事業者が設置区間を所管する警察署からの交通の安全と円滑性の確保に支障がない旨の意見を付して、運輸支局長に届け出る制度となっており、停車回数増加による交通安全や円滑性の確保等、解決すべき課題もありますが、可能な区間や時間帯などがないか、バス事業者と相談してまいりたいと存じます。
  • また、ソウルや東京の地下鉄には、駅に背番号を振っておりますが、盛岡のバス停にも背番号を振ったり、盛岡駅を通るバスには鉄道車両の絵を入れるなど、観光都市として利便性向上を図ることを提案いたしますが、いかがでしょうか。
    • 建設部長(阿部勉)バス停に番号を振り、利便性の向上を図ってはいかがかとのことでありますが、バス停番号の導入につきましては、よりわかりやすいバス案内方法の一つと存じておりますことから、観光客の利用が多い特定の路線等への導入について、バス事業者などと相談してまいりたいと存じます。
  • 私いろんなところを見たりするのが好きで歩くんですけれども、やはりバスに乗ると怖いんですよね、どこに着くかわからない、どこに連れていかれるかわからないというのがありまして、それこそ東京の地下鉄ですと線路ごとに色を塗って、目的地に必ずたどり着けるというような印があるんですけれども、そういった工夫をやはりしていく。特にも平泉の世界遺産の期待というのが高まっている中で、観光客に関していかにバスに乗ってもらえるか。やはり外から来た方に、外から来た利用者の視点というものをぜひバスの施策に反映していただきたく思います。
    • 建設部長(阿部勉)まず、バスの路線についてわかりやすいようなということでございますが、その部分につきましてはバス協会やバス事業者ともいろいろ今後相談していきたいと思います。
  • 仙北町や県営野球場前、庄ケ畑などは同じ名前のバス停がありながら、交差点に設置されているがゆえ、通過したり、経由しないものがあります。中三前にも神明町にも盛岡バスセンターというバス停がありますが、区別や工夫が必要と思います。上の橋と上ノ橋町も区別がつきにくいと思います。盛岡市内における同一名称でバス停の設置の違うバス停は幾つ存在をするのか、お示しをください。
    • 建設部長(阿部勉)同一名称で位置が異なるバス停は幾つあるかとのことについてでありますが、同一名称のバス停は27カ所となっております。
  • バス停の規格については、政令指定都市などでは広告つきバス停を設置し、その分設置費に充てたり、デザイン性や景観に配慮したベンチを設置するなどの利便性向上を図っております。盛岡でも例えば仙北町バス停が旧岩手川敷地付近に移動する予定ですし、茶畑公園前の盛岡バスセンター方面のバス停も隣接する敷地が空き地となり、バス停の拡充が今ならできますが、これらを含め敷地の確保をできるところから、モデルケースとしてハイグレードなデザイン性にすぐれたバス停の設置はできないものかお示しを願います。
    • 建設部長(阿部勉)敷地の確保ができるところからハイグレードなデザイン性にすぐれたバス停を設置してはいかがかとのことについてでありますが、市ではこれまでもオムニバスタウン事業によりデザインに考慮したバス停を設置してまいりましたが、民間の広告企業が設置する広告つきバス停につきましては、現在岡山市仙台市などで設置されている事例がございますことから、今後広告企業から相談があった場合には研究してまいりたいと存じます。
  • ハイグレードのバス停の話がありますが、私ハイグレードのバス停というのは盛岡の総合計画にも書いていたので質問したんですが、基本的には全部のバス停にベンチがあるべきだと考えているんです。例えばバス停が飛ばないように下にコンクリートがあるんですけれども、そこに御年配者の方が座っていると非常につらくなるというか、寂しくなってまいりますけれども、全部のバス停にベンチを置くことはできないものか、お伺いいたしたいと思います。
    • 建設部長(阿部勉)全部のバス停にベンチを置くことができないかということでありますが、これにつきましては基本的にはバス停につきましてはバス事業者が設置している、バス協会が持っているという形になりますけれども、いずれ全部のバス停にということになりますと、広い道路あるいはバス停の位置等によって、やっぱり狭くて設置のスペースが確保できないと、こういったこともあるんじゃないかなと思っております。ですから、全部ということになれば、現状ではかなり厳しいかなと、そういうふうに思っております。
  • 例えば盛岡駅とかバスセンター行きの上りだけでも設置をする、市内中心は双方向だと思うんですけれども、そういった取り組みはぜひ必要だと思います。少なくとも高齢者が地べたとかバス停の横に腰かけているというのは、非常に私悲しくなるので、ハイグレードなバス停に幾らかかるかわかりませんが、かなりお金はかかると思いますので、そのお金があるのであれば、やはりバス停全部にベンチを設置をするということ、高齢化社会という観点からぜひ強く要望いたします。
  • また、東北自動車道で、岩手県内には高速バス専用のバス停がありません。なぜないのか。青森県側には設置をされておりますが、岩手県にも設置ができないものかお尋ねをいたします。
    • 建設部長(阿部勉)岩手県内での高速バス専用のバス停の設置についてでありますが、現在県内では盛岡八戸線の浄法寺インターチェンジ停留所、盛岡大館線の田山パーキングエリア停留所が設置されている状況にございます。
  • 続いて、IGRいわて銀河鉄道について、最近の動向から今後について確認を含めお伺いをいたします。寝台特急列車減便による運賃収入の減少は、IGR開業当初は想定されていなかった事態とはいえ、新幹線が延伸をする既定路線の中では、夜行列車がいずれは廃止をされることは全国的な趨勢であり、想定はできたものと考えます。IGR線の貨物輸送についても、4月の衆議院予算委員会の質疑でも、国土交通大臣がJR貨物が適当なコスト負担をしていない認識を示したところであります。
  • 先日の報道で、IGRと三陸鉄道は業務提携を結び、人事面や観光面で協力をすることとありました。三鉄は、開業以来24年の歴史があり、観光面での取り組みについてはすぐれた経験をお持ちであり、IGRの活性化にも期待できるものであります。他方、三鉄は開業当初は黒字経営でしたが、近年では毎年1億円を超える赤字経営という厳しい状態であり、また開業当初採用した技術職担当者が退職期を迎え、人材の育成面での課題があるともお聞きをしております。この2社の連携は、今回は経営統合につながる話ではないと報道がされておりますが、この含みのある発言の真意はどうなのか、市の見解や市に提供されている情報はどのようなものがあるかお示しを願います。
    • 市長(谷藤裕明)交通施策についてでありますが、まずIGRいわて銀河鉄道三陸鉄道の業務提携に関する発言の真意と見解につきましては、本年5月27日に開催されましたIGRの取締役会で、互いの強みを経営に生かし、より効率的かつ効果的な経営を図ることを目的に取り組むとの報告があったところであり、その際、経営統合につきましては、県及びIGRから考えていない旨伺っているところであり、そのように認識しているところであります。
  • このいわゆる並行在来線問題は、長野新幹線以降開業した沿線の共通した問題であり、沿線の道県では統一して国に対し支援策を求めているわけですが、これら具体的な支援策についてはどのようなものがあるのか。3月の予算委員会でも質疑をいたしましたが、その後はどのような情報が寄せられたのかお示し願います。
  • 我が会派では、先月国土交通省鉄道局を訪問し、地方鉄道の活性化及びいわゆる並行在来線対策について、鉄道局の担当者との意見交換を行いました。その中で、運行指令を青い森鉄道側と分離をすることで、盛岡市だけで2億8,000万円、岩手県で23億円余りの追加負担は大きな負担であるということを指摘してまいりました。また、鉄道と道路を区別せずに総合交通体系としてとらえ、環境重視社会を追い風にした鉄道予算の拡充や新駅設置における法的制限への鉄道局の見解、地方鉄道の現状と課題について質疑を交わし、さらにIGRの現状の認識を深めていただくようお願いをしたところであります。
    • 市長(谷藤裕明)並行在来線問題について、国に求めている具体的支援及び市へどのような情報提供があったかということについてでありますが、県におきましては本年4月22日に国会議員等に対し、貨物路線使用料制度に関して指令システム等の設備の新設及び更新費の対象経費への算入、施設設備の使用に伴う基本的使用料の見直し、大規模災害の復旧経費の対象経費への算入の3点の見直しを要請したところであります。6月下旬には、沿線市町村も一緒に、改めて国会議員等へ同じ内容により要請活動を実施する予定としております。また、県におきましては、同様な課題を抱えている都道府県で構成する連絡会において、本年7月に連携を図った要請活動を実施するよう調整中と伺っているところであります。一方、市への情報につきましては、県が実施しております要請活動の内容等が提供されているところでございます。
  • ところで、IGRの経営状態についてお尋ねをいたします。IGRの場合、収支は黒字を計上しておりますが、青山駅設置などではインフラ部分に市の予算を投入しているものと思います。開業以来、これまで幾らの金額をIGRに市の財源から投入しているのか、まずお示しをください。
    • 建設部長(阿部勉)IGRいわて銀河鉄道に開業以来市の財源を幾ら投入しているかとのことについてでありますが、平成19年度末現在で経営安定化基金造成、青山駅関連、玉山区通学定期補助及び厨川駅好摩駅自由通路や踏切拡幅、交差点改良などに約9億7,000万円を支出しております。
  • また、一部報道にある寝台特急列車廃止に伴う減収や沿線人口の動向も踏まえ、もしIGRが単年度赤字を出した場合に市としてどのような支援を行っていくつもりなのかお示し願います。
    • 建設部長(阿部勉)IGRが単年度赤字を出した場合に、市としてどのような支援をしていくのかについてでありますが、IGRの利用促進支援につきましては、県及び沿線市町村で組織するいわて銀河鉄道利用促進協議会において取り組んでいるところであり、仮に単年度赤字を出した場合には、同協議会で対策を検討し、これを受けて県及び関係市町村が一体となって対応してまいるべきものと存じております。
  • IGRの利用実態を見ますと、盛岡から好摩間が圧倒的な利用者であるということを考えると、IGRの経営好転にはさらなる新駅の設置を促進することと、盛岡駅での乗りかえの工夫や矢幅駅まで延伸運行をすることでの利用喚起策が効果的であると考えますが、いかがでしょうか。
    • 建設部長(阿部勉)新駅の設置と盛岡駅での乗りかえの工夫や矢幅駅までの延伸運行による利用喚起策についてでありますが、経営好転施策につきましては利用促進策としての新駅の設置、JRとの相互直通列車の拡大などのほか、経営コスト縮減策等についてIGRから提案されたところであり、今後事業費確保の可能性、投資効率などの視点も含め、総合的に検討する予定としております。
  • 盛岡市総合計画には、(仮称)下田駅の設置を平成26年までに設置とありますが、今後のスケジュールや地元説明会の予定について、また着工するに当たっての予算見積額は幾らになるのか、事業者と自治体や県の負担割合はどのように考えているのかをお示しください。
    • 建設部長(阿部勉)(仮称)下田駅のスケジュール等についてでありますが、下田駅は渋民地区における土地区画整理事業地内の今後の土地活用の状況や新駅周辺の土地利用の動向などを踏まえながら、方向性について検討することとしておりますことから、スケジュール、地元説明会、負担割合等については、これらの進捗状況を勘案しながら検討してまいりたいと存じます。また、事業費につきましては、新市建設計画において概算で約4億5,000万円と見積もっております。
  • 厨川駅の東西自由通路にはエレベーターが設置予定ですが、盛岡市が改修する駅やその付随する通路は、原則エレベーターの設置があると考えてよいものかお示しください。
    • 建設部長(阿部勉)市が改修する駅や付随する通路は、エレベーターの設置が原則と考えてよいかについてでありますが、駅に付随する通路につきましては、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の規定に基づき整備を図ることとしており、通路の改修につきましてもこれに基づき、立地条件や費用対効果などを比較検討した上で、エレベーター、エスカレーター、スロープなどのうち、最も適した構造のものを選択することとしております。
  • 駅勢圏を考えた場合、あるいは首都圏での鉄道の活用を見ますと、2キロに1駅の駅間設置が都市鉄道として機能すると考えます。盛岡から青山間、厨川から巣子間への新駅について設置をすることがIGRの経営安定にとってよいと考えますが、総合交通計画にこれらIGRの新駅設置を位置づけすることと、さらには鉄道とバスの連携強化を図ること、道路建設予算とそれに伴う交通量を予測し、合理的な観点から鉄道にも投資するなど、盛岡市全体での鉄道の輸送分担率を向上させる施策を評価するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
    • 建設部長(阿部勉)市総合交通計画へのIGR新駅の位置づけや鉄道とバスの連携など、鉄道の輸送分担率を向上させる施策を強化すべきとのことについてでありますが、総合交通計画においては、新駅設置や鉄道とバスの連携強化を位置づけているところであり、順次具体化に向け取り組んでまいりたいと存じております。一方、御提案の盛岡青山駅間、厨川巣子駅間の新駅設置につきましては、整備費用や費用対効果などの課題があると存じておりますことから、総合交通計画に位置づけた施策の進捗状況等を見きわめながら、本計画の見直しの中で検討する必要があるものと存じております。
  • 続いて、鉄道貨物輸送についてお尋ねをいたします。鉄道貨物輸送は、旧国鉄の赤字の元凶とされ、縮小を余儀なくされた歴史を持ちますが、現在では環境面やコスト面、さらには長距離トラックの運転手確保の困難さからも見直されております。低炭素社会の実現のためには、もっと国を挙げて貨物物流の鉄道へのモーダルシフトを推進し、二酸化炭素排出を削減することが必要ですし、最近の異常とも言える原油先物価格の高騰ぶりは、自動車交通に依存することの脆弱さを改めて示すものだと考えます。永井地区には、岩手県最大の貨物駅がありますが、この貨物輸送基地を活用した盛岡市の施策を明確化させて、盛岡広域圏での鉄道貨物の輸送依存率を高め、モーダルシフトを図ることはできないものでしょうか。現在盛岡の扱う貨物のうち、自動車交通と鉄道貨物輸送の輸送割合についてまずお示しをいただきたく思います。
    • 商工観光部長(佐藤光彦)盛岡の扱う貨物のうち、自動車交通と鉄道貨物輸送の輸送割合についてでありますが、盛岡における貨物取り扱い量についての統計がなく、県内での取り扱い量でございますが、17年度の貨物地域流動調査によりますと、合計で約1億7,100万トンの貨物を取り扱っており、内訳は自動車が96.5%の約1億6,500万トン、鉄道が0.6%の約100万トン、海運が2.9%の500万トンとなっております。
  • その上で、JR盛岡貨物ターミナルの取り扱い品目と取り扱い数及び近年の取り扱い品目をまずお示しいただきたく思います。
    • 商工観光部長(佐藤光彦)JR盛岡貨物ターミナルの取り扱い品目と取り扱い数についてでありますが、日本貨物鉄道株式会社東北支社によりますと、19年度に同ターミナルからコンテナに換算いたしまして27万トンの貨物が発送されており、主な取り扱い品目と取り扱い数は車両部品関係が14万トン、米1万5,600トン、医薬品1万1,000トン、たばこ1万700トンとのことでございます。なお、近年の取り扱い品目においては、特に18年度から車両部品関係がふえてきているとのことでございます。
  • 取り扱い品目には、金ケ崎町の関東自動車への部品輸送があるわけですが、現在愛知県から輸送される貨物は、わざわざ金ケ崎町を通過し、この盛岡貨物ターミナルまで輸送し、トラックで国道4号線を南下して金ケ崎の工場まで輸送しているのが実態でございます。私としては、いっそのこと引き込み線をつくってしまって、隣接して自動車産業の誘致ができないものか考えるわけですが、この点をお尋ねをいたします。
    • 商工観光部長(佐藤光彦)盛岡貨物ターミナルから引き込み線をつくり、隣接して自動車産業の誘致ができないかについてでありますが、引き込み線を利用できることは実際に車両部品が本ターミナルを経由していることを考慮いたしますと、自動車産業誘致の上で大きな武器となる可能性があるものと考えられますことから、自動車産業の誘致に当たりましては周辺用地が市街化調整区域であり、工場立地の際の開発の可能性を見きわめることも必要ではありますが、企業誘致活動の際には引き込み線の準備ができる可能性のある立地候補地として情報提供したいと存じます。
  • 宮城県大衡村にもセントラル自動車が進出をすることで、宮城から岩手のラインが自動車産業の集積地という機運が高まっております。この大衡村の工業団地も東北道大和インターチェンジからの取りつけ道路しか輸送手段はないようです。これら立地を見ますと、盛岡地区は鉄道貨物を活用した自動車産業を含め、鉄道貨物を生かした企業誘致が可能ですし、また他地区との差別化を図るべきだと考えます。また、盛岡市の進めます工業の振興にも鉄道貨物を活用した施策をつけ加えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
    • 商工観光部長(佐藤光彦)工業の振興に鉄道貨物を活用した施策をつけ加えるべきではないかということについてでありますが、まず企業に盛岡貨物ターミナル周辺が立地の適地かどうか聴取いたしまして、適地としての可能性が高い場合には鉄道貨物利用を工業振興策に位置づけてまいりたいと存じます。
  • 高齢者の移動についてお尋ねをいたします。車社会を前提とした盛岡市のような地方都市では、車なしでは生活できない状態となっております。しかし、高齢者の運転免許の更新の条件が厳しくなり、やむなく免許を手放せば、すなわち生活ができない状態が現実のものとなってまいります。また、別の観点から、高齢者ドライバーの悲惨な事故が報告をされており、これら高齢者の移動については抜本的な対策を講じていかなければならないものだと思います。まず、確認のためお伺いをいたしますが、盛岡における75歳以上の高齢者ドライバーは人口比で何割なのか、ここ20年の推移はどうなのかをまずお示し願います。
    • 市民部長(川村一男)盛岡市における75歳以上の高齢者ドライバーの割合とここ20年の推移についてでありますが、岩手県警察本部の交通統計では年齢別の運転免許保有者数を平成2年度末から集計しておりますが、当初は70歳以上を一括集計のため、75歳以上のデータは不明とのことでございました。統計に残る最も古い75歳以上のデータは、平成12年末で2,309人、総人口に対する割合は0.8%、19年度末では5,726人、1.9%となっており、この7年間では75歳以上の運転免許保有者数が約2.5倍と急増しております。
  • また、同じく高齢者ドライバーが原因の事故の件数はどうなのかもあわせてお示しください。
    • 市民部長(川村一男)高齢者ドライバーが原因の交通事故件数でありますが、県警察本部の事故統計では75歳以上の高齢者が原因の事故については、平成9年から集計しており、その年の事故件数は18件、平成14年は26件、19年は65件と増加傾向にあり、平成9年と19年を比較しますと、この10年間で約3.6倍に達しております。
  • 全国では、高齢者が運転免許を返上する際に、タクシー券や高齢者パスを発行して代替輸送を確保する動きが急速に高まっております。盛岡では、福祉的要素がある敬老パスは廃止されましたが、交通安全の観点から運転免許を返上する仕組みとその代替のインセンティブの制度を全国の趨勢を参考にしながら盛岡でも始めることはできないものかをお尋ねをいたします。
    • 市民部長(川村一男)交通安全の立場から運転免許返上の仕組みとその代替のインセンティブ制度についてでありますが、運転免許の返上は警察庁が平成10年に運転免許証の自主返納制度として導入し、高齢などの理由で身体機能が低下した人や運転免許が不要になった人が自主的に返納した場合、運転経歴証明書の交付を受けることができるようにしたものであります。運転免許証を身分証がわりにしている人にはある程度の効果はあったものの、自動車を使っている人をなかなか減らすことができない状況が続いたことから、東京都を初め運転免許を返上した高齢者を支援する独自の取り組みを行う地方自治体が出てきております。しかしながら、地域によって代替交通機関の有無など交通環境が大きく異なりますし、高齢社会における事業の継続性の問題もありますので、これらの取り組みを調査、研究してまいりたいと存じます。
  • あとは、高齢者の移動についてですけれども、タクシー券ですとか、あるいは高齢者パスというものを今各自治体でやっておりますけれども、これは検討したいとか、高齢化社会によって高齢者がふえるから財政的に難しいんだというようにも聞こえましたけれども、この点はどういうものなのか、盛岡市としてやるつもりはあるのかどうかということについてもう一度確認したいと思います。
    • 市民部長(川村一男)確かに75歳以上の方の交通事故は増加しているということでございますけれども、その対策は必要とは存じます。免許を返還した場合には何か特典を与えるというふうなことになりますと、例えば免許をお持ちでない方もおられるわけでございますし、あるいは健常者とは限らないというふうなこともございますので、そのような方々をどうするかということも課題としてございます。また、先ほども御答弁申し上げましたけれども、公共交通機関の無料パスということになりますと、交通環境がその地域地域によって大きく差があるというふうなことから、不公平感も生じる可能性もあるというふうなことでありますので、今後とも調査研究をさせていただきたいというふうに思っております。
  • 最後に、土地区画整理事業についてお伺いいたします。盛岡市土地区画整理事業は、現在11事業が行われており、うち市が施行する事業が5事業、都市再生機構が1事業、組合や個人が5事業となっております。そのうち、施行中の市の5事業について、それぞれの進捗状況や保留地の売却状況、さらには現在の盛岡市の財政状況を加味した今後の完成までの見通しについてお示しを願います。
    • 市長(谷藤裕明土地区画整理事業は、にぎわいのある市街地を形成するための主要な事業であり、公共施設の整備改善と宅地の利用増進を図ることとあわせ、地域課題の解消を図る総合的なまちづくりの手法でありますことから、現在行っております盛岡市施行5地区、都市再生機構施行1地区につきましては、コスト縮減により投資効果を高めながら、今後とも継続して事業を推進していくこととしております。
    • 都市整備部長(新沼正博)土地区画整理事業についてお答えいたします。まず、市の事業として施行中の地区の進捗状況と保留地処分状況、完了見通しについてでありますが、現在浅岸地区、盛岡駅西口地区、太田地区、都南中央第三地区、道明地区の5地区において事業を進めており、浅岸地区については今年度、盛岡駅西口地区については平成21年度の換地処分により事業完了を予定しております。ほかの3地区につきましては、現時点では完了年次を明確にお示しできない状況にありますが、各地区とも総合計画実施計画から想定される投資可能額に基づく整備プログラムを作成しており、今後の財政状況を踏まえて適宜見直しを行いながら、早期の完成に努めてまいりたいと考えております。保留地の処分状況につきましては、平成19年度末現在で事業計画上の全体面積約16.9ヘクタールのうち、事業進捗に伴い処分を予定した約5.8ヘクタールに対し、処分済み面積は約4.2ヘクタールとなっております。
  • また、市以外の組合主導の事業の進捗と見通しの課題についてもあわせてお示し願います。
    • 都市整備部長(新沼正博)組合施行事業の進捗状況等についてでございますが、現在洞清水地区、大平地区、上厨川地区、渋民地区の4地区において事業を行っており、洞清水地区と渋民地区については工事が概成し、事業完了に向けて保留地の処分を進めております。ほかの2地区については、事業資金の確保が難しく、事業が進捗していない状況と認識しております。市といたしましては、組合事業を指導する立場にありますことから、今後工事概成地区での事業完了に向けた保留地販売のPRへの支援や、事業が進んでいない地区での保留地処分や企業誘致など、再建に向けた適切な指導に努めてまいりたいと存じます。
  • 既に完成した仙北西土地区画整理事業では、仙北町駅を東西に結ぶ連絡橋を設置いたしました。また、都南中央第三地区は、駅前ということで土地の処分が進むといいます。道明地区土地区画整理事業における進捗を向上させるために、(仮称)南仙北駅の設置を図ることで土地区画整理事業を進捗させることを要望いたしますが、この点についての御見解をお示し願います。
    • 都市整備部長(新沼正博)道明地区の事業進捗を図るための(仮称)南仙北駅の設置についてでありますが、当該新駅は盛岡市総合交通計画において、仙北町駅と岩手飯岡駅の間に「新駅設置の検討」として位置づけているものであり、今後全市的な見地から一定の利用者数の確保や用地費、建設費などの設置経費のほか、鉄道の技術的課題などについて検討してまいりたいと考えております。
  • ところで、盛岡市が主要行政用地として取得に意欲を出した市立病院前の土地ですが、この保留地を売却せず寝かせている状態にしておくことで、本来得られた売却益以外の土地の価値に対する金利は幾らに想定されるのか、またその損害などの負担はどのようになっているのかお示しを願います。また、盛岡駅西口事業などの一等地など、市の事業での保留地の現状の面積と、これを寝かせておくことでの損失をどのように算定をしているのか、合計幾らになっているのかもあわせてお示し願います。
    • 都市整備部長(新沼正博)盛岡南新都市地区の主要行政用地や盛岡駅西口地区などの保留地を売却せずに寝かせることによる損失をどのように算定しているかについてでありますが、土地区画整理事業におきましては、保留地処分金はすべて事業費に充てることとなっており、売却益が生ずることはありませんが、保留地の造成のためには先行して工事費が必要であり、都市機構の場合はこの費用を一時借入金で確保し、造成完了後保留地処分金で借入金と借入期間中の利息を返済するものであると伺っております。したがって、保留地処分がおくれますと、借入金の利息が膨らむこととなりますが、この利息分は工事費の縮減などで事業収支の均衡を図りながら事業を進めるものであり、損失として算定することは困難であると伺っております。市施行の事業の場合は、借入金ではなく一般財源を投入することとなりますが、造成完了後の保留地処分金は市の歳入となるものであり、この場合においても収支の均衡が図られるよう事業を進めているものであります。
  • また、これら11事業が完成した場合に想定される定住人口は、現状よりも何名増加する見通しなのでしょうか。今後の盛岡市の人口の見通しも減少に転ずる予想でございますが、現行の盛岡市の財政を考えますと事業年度が延長を余儀なくされることと、結果財政負担をして完成しても、予定をされていた盛岡市の定住人口そのものが減少していくというマイナスのスパイラルでは定住人口の充足すらままならず、かつ松園や湯沢団地などを加速度的に衰退させることにつながらないのか、ここら辺の議論を整理する時期に来たと考えます。これらを踏まえ、今後の土地区画整理事業の今後の取り組みについて市長の見解をお聞かせ願います。
    • 市長(谷藤裕明)土地区画整理事業の今後の取り組みについてでありますが、人口減少や財政状況を踏まえた本市における今後の市街地整備につきましては、地域資源を生かし、各種施設等の既存ストックの再生、活用と新たな機能集積を行いながら、計画的な市街地形成と機能集積を行うコンパクトな都市形成を図り、次世代に責任を持てるまちづくりをバランスよく進めてまいりたいと考えております。また、新市建設計画に位置づけのある玉山地区での計画につきましては、基本となる土地利用計画等を含め、地区計画によるまちづくりについて地元との話し合いを進めてまいりたいと考えておりますし、盛南地区や都南中央地区の未施行地区につきましては、地域課題等を踏まえながら、区画整理にこだわらない整備手法も検討してまいりたいと存じます。
    • 都市整備部長(新沼正博)事業完成後に想定される定住人口の増加についてでありますが、実施中の11事業地区における平成19年度末の人口は1万8,900人であり、それぞれの事業計画において想定している将来人口の合計は4万4,760人でありますので、2万5,860人の増加と想定しているところであります。
  • あと、土地区画整理事業についてお伺いいたします。11事業完成すると2万5,860人人口がふえるよということですが、盛岡市の人口が減っている中で人口をふやすような土地区画整理事業をやる施策について、その整合性はどうなのかということをお伺いしたんですが、ちょっとそこら辺私見えなかったので、人口がふえるということは単純に人口がふえるのではなく、松園だとか湯沢団地あたりを食っていくのではないかと思いますが、その周辺部の昭和40年代に開発をしたニュータウンをどのように土地区画整理事業で見ているのか、そこら辺をお示しいただければと思います。
    • 都市整備部長(新沼正博)まず、市内における人口の動態、動きのことだと思います。おっしゃるように、松園から区画整理事業の整備区域に移動された方もおりますでしょうし、あるいは市外、県外から来られる方もあります。また逆もあると思います。そういう中で、人口減少社会という日本全体の問題でございますが、やはり区画整理事業の中では今進める事業をきっちり進めて、なるべく計画人口になればいいなというような希望があります。それから、その中で松園、湯沢団地といったような、いわゆる昔のニュータウンと言われた場所についても空洞化の問題が発生しておりますので、そこにおいて人口が定着するような施策、例えば用途地域を変更することですとか、あるいは地域の方々とのコミュニティーを活発にするような動きを市のほうでも一緒にやっていくとか、いろいろなそういう形で松園、湯沢というのは本当にインフラがきっちり整備された場所ですから、そういったところに暮らすことができるような施策を進めていかなきゃならんと思っております。
  • 人口が減るという認識について、人口をふやす施策をとっているわけですけれども、これ市長にぜひお伺いしたいのは、このような整合性、合理的な数字の整合性から見て、明らかに違うのではないかということに関して、見直しなり再検討する必要があると思うんですけれども、土地区画整理事業における人口をふやすという施策と人口減少社会の到来というものについて、どのように市長は整理して認識しておられるのかお聞かせいただければと思います。
    • 市長(谷藤裕明)区画整理事業の新たな展開によって、市内から流出している部分もありますので、都市政策上ですね、そういう意味での受け皿をつくっておくということと、それから工業もそうですけれども、産業を通じての人口を集積させていく。県外に流出していく部分をこの盛岡広域の中での受け皿づくりをして、そこの中での定着率を図っていく、そういうようなことも含めてどの程度の形が整えられるか、これからの問題ではありますけれども、ぜひそういうような方向を目指してこれからのまちづくりに取り組みを進めてまいりたいと思っております。
  • 以上をもちまして一般質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)